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卒業証書

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2007年3月24日。
父の5ヶ月間に及ぶ入院生活は明日卒業です。

え???
meguさんのお父さんって・・・
畑仕事が大好きでおいしいお野菜いっぱい作ってて、オーストラリアへ単身WOOFに行ったりしていたあのお父さん?
ブログで長くおつき合いをしてくださっている方たちはそんなふうに父の事を記憶の隅にとらえてくれているかなと思います。

その父が62歳の誕生日。
一日の大半を過ごしていた愛する畑での転落事故。
まさかの頚椎骨折。

神様が守ってくれたおかげで命が助かったことを感謝する一方で、
この先どこまで機能が回復するのか、どこからは回復不能なのか
真っ暗闇の初めの数ヶ月。

室内でじっとしていることが何より苦手だった父が
一日中病室のベッドで寝たきりの事を思うと、
息苦しくなって胸がつぶれてしまいそうなくらい痛くて、

元気だったころの笑顔を思い出すと、
あの日常が遠く手の届かないところへ行ってしまった気がして
涙があふれて止まらなかった日々。

離れて暮らしているため、
今にも倒れそうな母を近くで支えてあげられないもどかしさ。



でも。

「お花見行けるかな?」
「行けるに決まってるやろ!そのころには退院や。」
ベッド脇で父の手をさすりながら幾度となく話したことが現実のものになりそうです。
桜が花開く前に退院です。


「今後は車椅子の生活を覚悟してください。」
「元の体には戻れないと思います。」
医師に言われた時も冷静に受け止め、それでも決して諦めなかった父。

「ゼッタイ歩けるって。」
「手にクワをくくりつけてでも畑仕事はやるぞ。」
「神様がくれた長いお休みや。」
と笑って、泣き言を一度も言わなかった父。

父の涙を見たのは、
事故以来ピクリとも動かなかった手の指が初めて少し動いた日。
初めて自分の足で立った日。
私が帰省して病室に顔を出した日。
「しあわせや。」と目に涙をいっぱいためていました。

毎日のリハビリ、自主トレの積み重ねで、
父は自分の言葉通り、しっかり立って歩けるようになりました。
自分を信じる!決して諦めない!
大切なことを教えてもらいました。

日々の暮らしの楽しいこと、美味しいことを書き綴っていこうと始めたブログなので、
この事を書くのはやめようと思っていました。
でも、父の入院中の頑張りは私の中でしっかりと残しておきたいと思ったので、
やはり書くことにしました。

入院中に改めて知った父の強さは「私の誇り」です。
息子たちにも伝えていきたいと思います。

まだ、仲良くつき合っていかねばならない障害は残っていますが、
ゆっくり見守っていくつもりです。

父の野菜が食べられなくなって初めて知った実家野菜の美味しさ。
甘み、歯ごたえが全く違うんだなぁ~。
早く父の作った野菜が食べたいもんです。

明後日、帰省します。
春の陽射しの中、父のすくっと立った姿を見るのが楽しみです。
まぶしいかも~~~。

by megu1031tajin | 2007-03-23 12:23 | 暮らし